ユーモア村のジョーク物語:第9話「記事の書き方」

2016/11/04

ユーモア村に隣接する村に、ブラック村という割と発展した村がある。

この両村は半年に一度、お互いに親善大使を派遣して親睦を深めていた。

実は、このブラック村とユーモア村との間では、風習や文化があまりにも違うため、いがみ合うほどではないにしろ、確執みたいなものがある。

都会のブラック村がユーモア村を田舎者扱いし、ユーモア村がギスギスしているブラック村を嘲笑する。といった感じだ。

それを見かねたパロディー国王13世が親善大使の交流を提案し、5年ほど前から始まった行事なのだ。

今年、ユーモア村はアムル山に住む賢者である、ホメット仙人を親善大使に任命し、ブラック村に行かせることになった。

― 出発当日 ―

駅のホームで見送る村人たちが、

「じゃぁホメット仙人、よろしくお願いしますね」

「うむ」

「からかわれても、軽く受け流してくださいよ」

「うむ」

「バカにされても&%$#&」

「ムオッホン!! ワシを誰じゃと思うとるんじゃな」

「す、すみません仙人さま…」

「心配せんでも無事に役目を果たしてくるわい!」

と、少しムッとしながらホメット仙人は列車に乗り込んだ。

列車がブラック村に到着し、ホメット仙人が駅の改札口を出ると、早速ブラック村の記者団に取り囲まれた。

バシャバシャとカメラのフラッシュがホメット仙人に浴びせかけられ、矢継ぎ早に質問が飛び交う。

ホメット仙人は、適当にあしらいながら記者団をかき分けて送迎車のところへと歩みを進めていると、1人の若い記者が目の前に立ちふさがり質問をぶつけてきた。

「田舎から都会に来た感想は?」

と記者は(質問に答えなければ通しませんよ)という雰囲気だったので、ホメット仙人は、

「良いところじゃな」

と、軽い笑顔で無難に答えた。

(ワシを怒らせようと思っても無駄じゃよ若造!)

心でそう思いながら余裕綽々の態度で歩みを進めた。

しかし、この若い記者は食い下がってくる。

「ホメット大使、もう一つだけ質問させてください!」

「ふむ、なんじゃな?」

「このブラック村には、ソープランドがたくさんありますが、知ってましたか?」

「ほう、ブラック村にはソープランドがあるのかね?」

「はい!たくさん」

「そりゃぁ初耳だ」

ホメット仙人は軽く答えて送迎車に乗り込んだ。

(変な質問でワシを困らせようと思っても、そうは問屋が卸さんわい! ふ~、若造の相手をするのは疲れるのぉ…)

そう思うとホメット仙人は何やら笑いがこみ上げてきた。

余裕の笑いである。

それからのホメット仙人は、大使としての行事を淡々とソツなくこなしていった。

(大したことないのぉ、ブラック村も…)

親善大使の行事に飽きてきたホメット仙人は、適当にやり過ごしてその日を終え、用意された部屋でスヤスヤと眠りについた。

そして翌朝。

新聞の一面トップには、デカデカとホメット親善大使のことが書かれていた。


ブラック村新聞 00年0月0日号

【ユーモア村のホメット親善大使、ブラック村に来たる!】

― ホメット親善大使が最初にした我らに対する質問は、

「この村にはソープランドはあるのかね?」

であった。―


 

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