ユーモア村のジョーク物語:第13話「子どもの前で迂闊なことは・・・」

2016/11/04

ロジャス家の隣には、ブレッド一家が住んでいる。

ルミエルは、なんとなくブレッド夫人とは折り合いが悪いので、いつもあいさつ程度の会話で済ませていた。

そんなある日のこと。

「あらルミエルさん、お出かけ?」

「ええ、ちょっとジェシカと一緒に夕飯の買い物に」

「あらそう、ジェシカちゃんいいわねぇ。あっそうだわ、明日ウチの庭でバーベキューをやるんですの。よろしかったらご一緒にいかが?」

「え…あの…」

ルミエルは、なんとか断ろうと返答に困っていると、末娘のジェシカが目を輝かせて割って入ってきた。

「ねぇママ、明日は何にもすることがないって言ってたでしょ?。ブレッドおばさんと一緒にバーベキューやろ? ねッ!」

「えッ、ええ、そ、そうね」

ってなことで、明日はブレッド家の庭でバーベキューをやることになってしまった。

(まったく…子どもには迂闊なことは言えないわね…差し入れ代が高くついちゃうじゃない…)

ルミエルはそんなことを思いながら買い物を済ませ家路についた。

― バーベキュー当日 ―

ルミエルは差し入れのフルーツの盛り合わせをテーブルに乗せ、子ども達が楽しそうにやっているのを眺めていた。

するとブレッド夫人が、キラキラと光るスパンコールで描かれた像のワインクーラーを家の中から持ってきて、その象のワインクーラーを自慢するようにテーブルの上に乗せると、

「さぁ、大人たちは乾杯しましょ!」

と、ワインのコルクを抜きながら微笑んできた。

しょうがなくルミエルはテーブルに近づいて、ワイングラスを持とうとすると、

「うわぁ~!、象さんのワインクーラーだぁ~!、これかぁ~!」

と、ジェシカが飛び込んできて、まじまじとキラキラ光る象のワインクーラーを見つめはじめた。

ローワンもジェシカの後につづいて覗き込んだ。

「あらジェシカちゃん、知ってるの? このワインクーラーのこと」

「うん、知ってるよ!」

「あら、うれしいわジェシカちゃん」

「ボクも知ってるよ!」

「あら、ローワンくんまで!」

ブレッド夫人は、自慢のワインクーラーがジェシカやローワンにまで知られていることが嬉しくて、

「お母さんが教えてくれたの?」

とジェシカを見つめながら言うと、ジェシカがニコニコしながら答えた。

「うん、そうだよ。ブレッドさんの家には、派手なスパンコールの象が付いた、趣味の悪いワインクーラーがあるって!」


 

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