ユーモア村のジョーク物語:第14話「本当の恐怖」

2016/11/04

ロジャス家はブラック村にあるダーク遊園地で楽しく遊んでいた。

このダーク遊園地は古くからある森林遊園地で、パロディー国のレジャーの名所でもある。

― そんなダーク遊園地でのひとコマ ―

ロジャスがニヤニヤと子ども達を見渡しながら、

「恐怖の吊り橋渡り…やってみるか?」

と言うと、子ども達はピクッと反応し、顔をこわばらせた。

恐怖の吊り橋渡しとは、ダーク遊園地の中で、一番の恐怖が味わえるアトラクションのことだ。

断崖絶壁の深い谷に、細いロープと薄っぺらい踏板だけで作られた全長50mくらいの吊り橋で、風が少し吹くだけでグラグラと大きく揺れる。

昔から男の子たちの間では、度胸試しによく使われるのだが、半数は断念するほどの恐怖アトラクションである。

「どうしたカルキン、顔が引きつってるぞ。怖いのか?」

「そ、そんなことないやい!」

そうやって父と子で言い合っていると、ルミエルが皮肉たっぷりに話しかけてきた。

「エラそうに言ってるけど、あなただってティーンの頃は渡れなかったでしょ?」

「何言ってんだ、チャンと渡ったよ!」

「あらそう、だったら今からカルキンと一緒に渡ってきたら?」

「あ、ああ、いいとも、もちろんだ」

っとまぁ、そんなこんなで父ロジャスと長男カルキンで恐怖の吊り橋渡しをやることになってしまった。

「いらっしゃいませ。お2人ですか?」

「そ、そうだ」

「お2人で1,200パロディーになります」

ロジャスがポケットの小銭をゴソゴソとまさぐりながら目の前の吊り橋を見ると、風で揺れながらギシギシと音を立てているのが聞こえる。

本当は渡ったことがないロジャスは不安になって係員に尋ねた。

「この吊り橋は本当に大丈夫なのかね?」

「はい、踏板は今月の初めに交換したばかりで、ロープも100年保証のヤツですからね」

「ひゃ、100年保証!?」

「はい、そうですよ。今まで一度も切れたことがない丈夫なロープです。あまり知られていないんですけどね」

それを聞いたロジャスとカルキンは、ホッとした表情で顔を見合わせた。

しかしである。

係員が保証書を見ながらニコやかに言い放った次の言葉で2人は凍り付いた。

「え~っと、保証期間は…あっコレだ。保証期間は今月末までって書いてありますから、まだ大丈夫ですよ!」


 

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